022 アルコール [創作100題]
午前0時を過ぎる
グラスに光るロゼの色
少しずつ 少しずつ 少しずつ
独りで透き通るロゼを見つめて呟く
「こんな時間も必要よね・・・」
自分に そう言い聞かせるように呟く
輝くロゼを見つめながら
輝くロゼに涙を重ね そう呟く
すぐそこに・・・
新たな出会いが待っている
輝くロゼ色の幸せが・・・
輝くロゼ色の微笑が・・・
021 砂時計 [創作100題]
さらさらと音を立てて流れゆく
さらさらと時は流れ流れてく
ここへあちらへ流れてく
さらさらさらさら流れてく
私の心へ流れてく
さらさらさらさら流れてく
時を刻む砂の音
さらさらさらと流れてく
流れる時と砂の音
020: 愛する人よ [創作100題]
愛するということは
全てを手に入れるということではない
あなたが幸せであればそれでいい
あなたが光につつまれ微笑み
あなたが暖かな暗闇で安らげる
あなたが愛しいとおもうものに包まれる
あなたが幸せであればそれでいい
愛する人よ
あなたは今幸せであるのだろうか
あなたの心は癒されているのだろうか
私はあなたの存在に安堵する
私があなたの愛しい存在になれるなら
如何ほどに幸せであろうか・・・
愛する人よ
あなたが愛に包まれて過ごしていることを願って・・・
019: 重複する意識 [創作100題]
光と闇
一つの体に2つの心
鬩ぎあい葛藤する
光があるから闇が出来る
闇があるから光がわかる
同じ意識の下
光と闇が交差する
それぞれがそれぞれに成り立ち
交じり合い絡み合う
それでいいのだ
重複した意識の下で
人は羽ばたくのだ
018: 真夏の雪 [創作100題]
貴女は今どこにいるのか
忘れられない貴女の面影、白い指先
あの日の出会い。そして約束
貴女との約束を守り、ただひたすらに貴女を想う
今どうしているのだろうか?
あれからどのくらい経ったのだろうか?
貴女もあの日の約束を忘れずにいてくれるのだろうか?
もう一度貴女に逢いたい。ただそれだけを想う
そうして私は貴女との約束を破る
貴女と出会った日の事をそっと呟く
「あぁ、貴女は私との約束を忘れてはいなかった」
この季節に似つかわしくない白い雪を身に纏い
寂しそうな微笑を湛え私のもとへ
「何故?」貴女は呟く
「もう一度貴女に逢いたかった…」
「それの意味することが分っているの?」
そう囁く声に微笑んで頷き、真夏の雪を愛おしく想う
貴女の冷たく優しい唇が私の頬に触れる
そして時間が止まった
017: さあ、行こうか [創作100題]
さあ、行こうか
空を見上げて、深呼吸して
さあ、行こうか
まぁるいお月様に向かって、わくわくしながら
相棒は小さな黒猫、名前はノエル
おばあちゃんから受継いだ魔法の箒に行き先をまかせ
ふわりと浮かんでくるっと廻る
夜空のお散歩
さあ、行こう
016: 光を見る [創作100題]
暗闇の中に貴女を見た
吹きすさぶ嵐の中で揺れる小さな花
漆黒の闇の中で放たれる一つの光
戦いに疲れた心を優しく包む光がそこにある
もう休んでもよいのだろうか?
暗闇を彷徨うことに疲れてしまった
許されるなら貴女の光に包まれ永久の眠りを…
015: メモリーカード [創作100題]
大切な時間を忘れないように
私は1つ1つ記録する
いつでも取り出せる様に記録する
いつか想い出となる日がくるのだろうか?
いつか忘れることができるだろうか?
でも今は大切なきもちを、そっと保存しよう
小さなカードに大切に…
014: 記憶の狭間に [創作100題]
何かが刺さっている
心に刻み込まれている
はっきりとした輪郭が見えない霧の中に
大切な人達がいた気がする…
暖かで明るい光に満ちた何かが其処にあったのだろう
いつの日からか私は孤独であり
ただ心の赴くままに旅を続ける
記憶の狭間にある大切であったであろう光を捜して…
013: 風の色 [創作100題]
遥か大陸を渡り辿り着いた風は
どこか懐かしい色をしている
遥か海原をこえて旅した風は
どこか希望に満ちた色を含んでいる
あなたの纏う風は優しい色に溢れている
私の風は何色だろうか?
願わくば、あなたが安らげる色でありますように…